作曲作品

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日本の古謡による幻想曲「三つの唄」

1.盆踊唄(会津磐梯山) 2.守子唄(五木の子守唄)
3.手毬唄(あんたがたどこさ)

 2010年12月に行われた全国高等学校総合文化祭 熊本県代表選考会にて、尚絅高校ギターマンドリン部は2011年8月に福島で行われる全国総文への出場権を獲得した。周囲の人の助言もあって、熊本と福島のものをミックスした曲を作りたいというのが作曲のきっかけであった。
 ところが楽譜を書き始めて間もなく東日本での震災が発生。テレビ中継を見るだけで何もできないという無力感が、演奏するたびにフラッシュバックする。
 祭りの気分の背後に哀悼の気持ちと、今音楽が出来ていることに感謝し力強く歩まなければならないという決意を込めて。

編成:マンドリンオーケストラ(Mn.1/2 Md. Mc. Gt. Cb.)
時間:約11分
作曲:2011年3月24日
初演:2011年6月4日
   尚絅中学・高等学校ギターマンドリン部
   指揮:福屋篤
   第23回熊本県高等学校総合文化祭
出版:Edition Cantarella ¥4,000←クリック


セレナータ ~ある失われた絵のための~

ふと湧きだしたきらきら輝く鬱屈した想い。
チープでノスタルジーあふれるメロディの合間を縫って流れだす。
そんなある夕べの情景。

編成:Mn Solo
時間:約3分
作曲:2012年7月3日
初演:2012年7月4日 福屋篤
   熊本大学マンドリンクラブ部内発表会
出版:EditionLesPois ¥700←クリック


プレクトラムのための小四重奏曲

1.おふざけ 2.ひとりぼっち 3.おさんぽ

「ぼく」と「きみ」の交流を題材とした架空の物語に寄せた作品。
1. おふざけ:きみがきたの!まじめになにかいっているけど、しらないの!ずっとすてきなうたにかえてあげる!でもすぐつかれちゃう。ねむくなったらこもりうたをきっとうたってね。
2. ひとりぼっち:きみがこない。もうずっと。きみにあえないと、とってもさむいの。はやくあいたいね。
3. おさんぽ:とってもうれしかったの。おなじようなまいにちが、おはなみたいにかがやいて。きみにあいたいからぼくははしるね!あっというまにあのおやまも、のはらもこえてゆくよ!かぜみたいに!

編成:マンドリンカルテット (Mn.1/2 Md. Mc.)
時間:約11分
作曲:2014年1月9日
初演:2015年2月7日
   マンドリン四重奏団「カルテット・カンタレッラ」
   カンタレッラ リサイタルVol.6熊本公演
出版:Edition Cantarella ¥2,800​←クリック


蜘蛛の即興曲

傍らに生きる小さきものたち。
身軽な彼らは重力を物ともせずにあちこちと動きまわり命のやり取りをする。
今日もほらそこで、羽虫に蜘蛛が迫ろうとしていた。
虫達に寄せる小品。

編成:Mn Solo
時間:約3分
作曲:2014年7月17日
初演:2015年5月17日 佐古季暢子
   桝川千明・佐古季暢子ジョイントLIVE「音の三原色」
出版:EditionLesPois ¥700←クリック


組曲「花野の風景」

 1.釣舟草は霧雨に浮かぶ  2.野をかける初夏
 3.月影に君を待ちて    4.小花の踊り

 私が尚絅中高ギターマンドリン部に関わるようになって以来、阿蘇の草花、自然や文化は私にとってぐっと身近なものになっています。
 高森町を訪れたある初夏の夜のことでした。静かになったので外をのぞくと、それまで弱く降っていた雨はやみ、わずかに雲が晴れてゆくのでした。意を決し(しかし恐る恐る)野草園を散策すると、そこには月明かりに照らされたハナシノブが一株。「君を待つ」の花言葉の通り、私を待っていてくれたような気がして、とても胸が高鳴ったのを覚えています。このときの出来事がそのまま曲を書くきっかけになりました。
 しっとりした空気や短い命を謳歌する小さな生き物たちなど、第1~3曲はこれまで私が目にし、印象に残った風景を、そして第4曲はこうした阿蘇が見せる美しい表情に対する賛辞を音楽にしたものです。皆さんの心に息づく「阿蘇」に思いを馳せながら聴いていただければ幸いです。

編成:マンドリンオーケストラ(Mn.1/2 Md. Mc. Gt. Cb.)
時間:約16分
作曲:2015年3月21日
初演:2015年6月28日
   尚絅中学・高等学校ギターマンドリン部&OG
   指揮:福屋篤
   第1回はなさくらコンサート
出版:Edition Cantarella ¥4,000​←クリック


巨樟の畔

 私は自然や農村の風景が好きで、関連して巨木も好きであちこち会いに行きます。日本の樹種別巨木本数ではスギやケヤキに及ばないものの、最大級の巨木の多くはクスノキです。クスノキは天然の森の中ではそれほど見かけません。里や神社など、人の手が入った場所でその立派な姿を見ることができます。
 日本に生息するクスノキはその八割が九州にあると言われており、佐賀、熊本、鹿児島では県の木に、福岡(福岡、飯塚、筑後、中間、小郡、宗像、太宰府)、長崎(島原)、大分(別府)、宮崎(宮崎)でも一部市町村の木に指定されています。私には九州を象徴するような木であるような気がしてなりません。
 日本マンドリン連盟九州支部が50週年を迎えるにあたって、この木をモチーフにささやかながら曲をしたためました。クスノキが生育する鎮守の森のように、愛好家が集うこの場所も沢山の人が育て、守って来たことでしょう。自分はその畔にひっそりと佇むだけですが。。
 日本マンドリン連盟九州支部のさらなる発展を祈り、偉大な先人に心から敬意と感謝を込めて。

編成:マンドリンオーケストラ(Mn.1/2 Md. Mc. Gt. Cb.)
時間:約12分
作曲:2019年5月12日
初演:2019年8月4日、日本マンドリン連盟九州支部有志合奏
   マンドリン独奏:高橋和彦、マンドロンチェロ独奏:加賀城浩光
   指揮:福屋篤
   日本マンドリン連盟九州支部創立50周年記念演奏会
出版:Edition Cantarella ¥3,500←クリック


鉄の轍

 フェッロ・マンドリーノ北九州委嘱作品。
 フェッロ=鐵から着想を得て、西方から製鉄技術が伝播していったアイアンロード。その東の果ての東アジアを題材として作曲いたしました。
 大陸から鉄器がもたらされたとされる縄文後期、九州北部のある邑に住む青年が大陸からの文化と製鉄技術に触れ、その憧れから旅立った軌跡を8つの場面(邂逅、旅立ち、嵐と持衰、大陸にて、鉄、帰郷、戦火、祈り)に分けて描いた音楽物語風の作品です。
 本来フェッロ・マンドリーノ北九州が「東アジア文化都市」に参加予定だったためにこのテーマで臨みましたが、コロナ禍のため演奏会は2年も流れ苦難を乗り越えた初演となりました。直接的に未来を見据えた曲ではなく、文字にも残っていない過去を振り返ることになりますが、新たな技術を開発した先人たち、新たな文化を獲得しようと決死の思いで旅立った人たち、技術とともに生まれた社会問題や紛争…。あらゆることが今という時代に生きる私達の礎になっていることは忘れたくない、忘れてはならないことです。

編成:マンドリンオーケストラ(Mn.1/2 Md. Mc. Gt. Cb. Per.)
時間:約16分
作曲:2020年4月14日
初演:2022年9月25日、フェッロ・マンドリーノ北九州
   指揮:森安浩司
   フェッロ・マンドリーノ北九州第78回定期演奏会
出版:Edition Cantarella ¥5,000​←クリック

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